ミシシッピ川以東のルイジアナ

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受験生、名古屋を食べる

これは何

旅行記です

名古屋に行った

某大学の院試(博士後期課程)を受けるために名古屋へ行ってきました。 入試の詳細は結果が出てから書きます。

せっかくなので楽しもうと思い、2泊3日で名古屋観光をしたのでその記録です。

名古屋に行く

東京から名古屋まで新幹線で行こうと思うと中々高くて、学割使っても片道1万円以上はかかる。 とはいえ何度も乗り換えが挟まる鈍行を使うくらいなら、座っているだけで着く高速バスでも時間に大差はない。そして東名間のバスといえば……

JR東海バスのダブルデッカー車が2台並んでいる画像
ダブルデッカー!

調べると6000円弱で2階の最前列に座れるようなので、取ってみた。 バスタ新宿12:10発の「新東名スーパーライナー新宿11号」である。首都高、東名、新東名、伊勢湾岸道を経由し、東海ICから名古屋高速に入って名古屋駅の新幹線口に至る。

バスターミナルの乗り場から道路側を写した写真。乗車するバス車両と、「名古屋」と表示された発車標が写っている。
これに乗る

バスタを出たところ めっちゃ目線が高い!

他の全ての車を見下ろすことができ、最強

内装の写真は全然撮っていないのだが、2階席は3列シートでもあるので快適さも十分確保されている(それでも結構腰が痛くなったが)。 ということでテンション爆上がりで出発したはいいものの、新東名は景色の変化に乏しいこともあって、途中休憩で清水に寄ったころには車窓を眺めるのに飽きてしまった。東名経由ならまた違うかもしれない。そんなこんなでうだうだしていると、18時くらいに名古屋駅に到着した。

到着直前までドカ雨だったがギリ回避

とりあえずホテルに荷物を置きたい。伏見にユーキホテルというビジホを予約してある。名古屋から伏見は地下鉄で1駅しか離れておらず、なんとなく勿体ない気がして歩いていくことにしたが、キャリーケースが鬱陶しくてすぐに後悔した。

伏見駅のあたりの交差点 なかなか都会だった

ホテルは駅から北へ1ブロック行ったくらいのビルに入っていた。2階がフロントで、部屋は5階。大浴場はないし、まあまあ古いし、外出時は鍵を毎回預けなければならず面倒だが、なにせこの立地で一泊5000円未満なので文句は言えない。

雰囲気よし

部屋 冷房効きすぎて寒い

とにかく、ひとまずは落ち着いた。まずは腹ごしらえである。今回は名古屋メシを沢山食べるつもりなのだ。

名古屋を食べる

みそかつ

ところで筆者はすぐに腹を下すほうである。1日目はバス移動の途中で体調を崩したくないので、朝に少しつまんで以来何も食べていなかった。 とにかくガッツリ食べたいので、ググって評判がよさそうだったみそかつの店けんとへ行ってみる。オフィス街の雑居ビルに飲食店が集まった一角があり、そのうちの一軒ということだった。

みそかつ定食 1500円

ランチと同じ値段で夜も定食が食べられるようでとてもありがたい。しかもイワシの塩焼き(たぶん)までサービスで付けてくれて、大変ありがたい。僕以外には先客が1人、食べている途中に後から1人入ってきたくらいだったので、夜はあまり人が入らないのかもしれない。

食べている途中、流れていたニュースで熊本の地震のことを初めて知った。道路橋がポッキリ折れていたり、イオンが爆発したという話だったり、ともかく大事のようであった。特にどうすることもできないので、やはり日本は怖いねぇという話を店主さんとして、後は何も考えないことにした。

きしめん

2日目は朝食も食べないまま某大学の某研究科へ行き、生きた心地のしない口頭試問を受けた。その後知人の研究室へお邪魔して、キャンパス内を散策するうちにいい時間と腹の空き具合になってきたので、きしめん家 天むす比呂野に連れていってもらった。

牛肉しぐれころきしめん 1320円

一番ベーシックなきしめんにしようかと思ったが、物足りなさそうなので牛肉を追加する。しかし予想外に天むすが付いてきたので、結局かなり満腹になってしまった。「『ころ』って何ですか?」と聞くと「よく分からないけど恐らく冷たいことを表わす接頭辞だろう」という回答を得た。結局何なのだろう。

ちなみにこの店は月替わりきしめんという謎の枠があって、毎月変わったメニューが出るのだそうだ。今月は冷やし中華みたいな感じのきしめんであった。合格した暁にはまた来てみようと思う。

手羽先

筆者には小中高と同級生だった、今は某大学に通う友人がいる。夜には彼と会う約束を取り付けている。 熱田神宮へ行ったりした後、本山の1番出口から地上に出ると、ちょうど友人がやってきたところだった。その足で風来坊 本山店に向かう。普通のチェーン居酒屋である(なんなら品川や大宮にもあるらしい)。

とりあえずビールを注文して乾杯。手羽元が来たので貪り食う。うまい。つくねとか砂肝とかも食べる。うまい。とにかくビールがうまい。

なんか色々 食べかけで申し訳ない

鶏に満足したので海鮮を頼む。塩辛思ったより少ない、刺身はまあ普通。とりあえずビールはうまい。旧友と久々に再会できたし、話も弾んだので何でもよい。

なんか色々2

そろそろ出ようと思って伝票を貰うと、思ったより飲んでいたようだった。結局この日の食費は1万円を越えた。

モーニング

3日目は14時のバスを取ってあるので、それまでは自由だ。とりあえずモーニングとかいうやつを体験しておこう。調べると、珈琲処 カラスという店がよさそうだ。

外観の時点で既においしそう

入ると先客は2人だった。もう9時くらいだったから、朝のピークは越したのだろう。通された席に座ると、なんとテーブルがスペースインベーダーだった。

別に遊べそうな感じではなかった

店に入ってから掲示物で知ったことであるが、この店は『孤独のグルメ』に登場したことで有名らしい。作中で井之頭五郎はあんトースト(いわゆる小倉トースト)を頼んだそうだが、僕は朝からそこまで食べられそうにない。まだ今度、誰かと来たときに試してみる。今回はモーニングサービスのバタートースト(ハーフ)を貰うことにした。ドリンクを頼むと無料でついてくるのだった。

カラスブレンドコーヒー 450円(モーニングサービス込)

名古屋から帰る

コーヒを飲んだ後は名古屋市科学館を見たり大須商店街へ行ったりしたが、思いの外色々なものがあって満足に見られないまま名古屋駅へ戻った。 まあ、もし合格していれば、来年度からは名古屋に住むことになる。続きはその後でも遅くはないだろう。

復路のスーパーライナーは普通の1階建て4列シートで、運賃は脅威の2800円である。東京に着いてから自宅までの電車賃を含めても、4000円せずに名古屋から帰ってこられるのは凄い。しかしかなり疲れたので、次回は新幹線でもよいかなぁという気がしている。

vimtexが重すぎる!

これは何

備忘録です

TL; DR

vim.g.vimtex_syntax_conceal_disable = 1 でUnicode文字への置き換えをオフにするとよい.

本編

今まで kickstart.nvim を基にして手動でいろいろ nvim 盆栽をしていたのだが,しばらくいじらない内に色々なプラグインがコンフリクトしはじめて阿鼻叫喚の地獄絵図を呈していた(というか mason.nvim が破壊的変更しまくってて本当に勘弁してほしい). 思えばバイトを辞めて以来プログラミングの機会がぐんと減り, .config/nvim/ を編集することもほとんどなくなっていた.

jj1lis.hatenablog.com

完全に研究しかやらない人間となって久しく,LaTeXかLeanくらいしか書かない現状では盆栽にそこまでの時間をかける余裕も気力もない.そこでいっそと思い LazyVim に乗り換えることにした.安定のfolke氏製で,もはや自分で色々編集しなくてもコンソールから指定するだけでオススメのプラグインを丸ごとインストールしてくれる優れものである.ドキュメントも充実している.

www.lazyvim.org

ということでドキュメントに従って .config/nvim/ をそっくり丸ごと置き換えて諸々を入れてみた.各言語のプラグインは LazyExtras という機能を使って設定する.例えば lang.tex を選ぶと vimtex がインストールされたうえで treesitter とか nvim-lspconfig とかもよしなにセットしてくれるのである.

で,いざ LaTeX ファイルを編集しようとしてみるとあまりにも重くて使えたものではない.EOFまで G で飛ぶだけの動作すらなんだかモッサリしている始末である.これはいかんので,なんとか修正したい.

原因調査

まずは現在の設定を色々変えてみて原因箇所を突き止めたい. LazyExtras で lang.tex を disable にして,代わりに同等の設定を手動で追加する.内容は LazyVim のドキュメントにあるので,適当なファイル (tex.lua とか)にコピーして nvim/lua/plugins/ に配置する.

www.lazyvim.org

vimtex は前にも使っていたので,treesitter の設定が悪さをしているのかと思いコメントアウトする.しかし相変わらず重いままである.

そういえば,LazyVim にしてから記号類がUnicode文字で表示されるようになったことを思い出す(数式中の \alpha が α になる等).treesitter を切った今は vimtex しか動いていないはずだが,まだそのように表示されている.こんな機能以前からあったっけ?

……と思って vimtex のドキュメント を読んでいたらそれっぽいものを見つけた.

VimTeX provides a feature called “syntax-concealment”, which replaces various commands, such as math-mode commands for Greek letters, with a shorter Unicode equivalent. For example, the \alpha command would appear as the character α in your terminal. See :help vimtex-syntax conceal if you are interested in this feature.

昔からあったのかどうかは分からないが,少なくとも以前は使っていなかった機能である.doc を読むと,g:vimtex_syntax_conceal_disable でオフにできるようである.ということで tex.lua を次のように編集する.

  {
    "lervag/vimtex",
    lazy = false, -- lazy-loading will disable inverse search
    config = function()
      vim.g.vimtex_mappings_disable = { ["n"] = { "K" } } -- disable `K` as it conflicts with LSP hover
      vim.g.vimtex_quickfix_method = vim.fn.executable("pplatex") == 1 and "pplatex" or "latexlog"
      vim.g.vimtex_syntax_conceal_disable = 1 -- ここ
    end,
    keys = {
      { "<localLeader>l", "", desc = "+vimtex", ft = "tex" },
    },
  },

nvimでLaTeXファイルを編集している画面.シンタックスハイライトは効いているが,記号類のUnicode文字への置換は行われていない.
設定追加後の編集画面

快適に編集できるようになった.記号類の置換が行われないのは多少不便ではあるが,こちとら LaTeX は6年目であるし,人力コンパイルくらいなんということはない.

優柔普段の昼食

これは何

雑記です。

優柔不断な普段

僕はどうも人に比べて優柔不断な性格であるようだ。ここ最近は頻繁にそれを実感する。

つい数日前に AirPods4 を買ったのだが、実のところ購入を検討しはじめたのはもう3ヶ月くらい前のことである。 今使っているイヤホンへの不満点、それが耳からうどんを生やすことで解決する合理的説明、どの機種にするかも決めていたし、いつ買っても特別困らない程度の収入もある。でも何となく決断できず、ようやく今週に入ってから注文ボタンを押すことができた。ガジェットというものには旬があり、どうせ買うなら早い方が使える期間が長くなるわけで、迷うだけ損である*1

とはいえイヤホンなんてたまにしか買わないし、別に困るわけでもない。問題は普段の生活、例えば昼食選びのような、頻繁に選択を要求される場面にある。

選択肢は少ない方がいい?

僕の研究室は全体的に(そして困ったことに)朝型で、ゼミにせよ輪読にせよその他の集まりにせよ、用事は午前中ないし昼過ぎには終わらせてしまう。それから先生や学生の何人かで連れ立ってランチへ出掛けるのが通例である。 以前は食神 *2ラージャ *3ばかりだったが、最近は割合色々なところへ行っている。

で、たいてい僕は周囲を待たせて一番最後まで何を頼むか悩んでいる。 以前であれば一番安いセット以外頼むことはなかったのだが、幸いなことに今のバイト先からは自分には過分なほどの給料を貰えている。 お陰様で僕の懐事情は大いに潤い、ちょっと高めのメニューにするか、デザートを付けるかくらいは選ぶ余地が生まれつつある。

食神には各曜日固定の定食4種類と1種類の週替わり定食があり、僕は大抵この5種類か馴染みの数品から選ぶ。もちろん他にもメニューはたくさんあるし、食べたことのないものもごまんとあるが、行き慣れていることもあり決まりきったものしか注文しない(そう自分で決めているのである)。 一方で他の店だと、たとえ定番枠のメニューがあったとしても「せっかく滅多に来ない店へ来たのだから」と変に色気を出してしまいがちだ。

一般論として、人間は選択肢が多いと迷ってしまうから、少ない方が結果的な幸福度は高いというのはよくある言説だ。確かに僕が食神を気に入っているのもそういうところである。 しかしそうは言っても、食べるものくらいは決めきれないくらいバリエーションがあったほうが暮らしが豊かだし、それが文化的というものだろうと僕は思う。

柔茹而寡断

耳学問というかネット学問であるが、優柔普段という言葉は韓非子『亡徵』の一節が語源らしい。

緩心而無成,柔茹而寡断,好惡無決而無所定立者,可亡也。

大意では「君子がぐずぐずして決めきれない人だと国が滅ぶぞ」という話である。 さすがに僕が優柔不断なだけで日本は滅亡しないだろうが、昼食くらいパッと決めて、微妙なものが出てきても後悔しないくらいの甲斐性は持ちたいものだ。

*1:待てば待つほどインフレが進んで相対的に安くなるのでアドだという意見もある。

*2:電通大の近くにある安くて大盛りの中華。

*3:やはり電通大の近くにある安いインドカレー屋。

ゼミ発表をするということ

これは何

ゼミ・輪読会・研究ミーティングなどの場でプレゼンテーションをするための心構えについて私見を書きます.

はじめに

今日はB4の後輩が「卒業できません」宣告を受けているのに居合わせて,大層肝が冷えた.

「ゼミ」という言葉が指すものは色々あるが,われらが研究室ではもっぱら進捗報告会のことをそう呼んでいる.毎週ある曜日の数コマを確保しておき,1人1時間の進捗発表を数人分行うというスタイルだ.そこで後輩の一人(仮にA君としよう)の発表を聞いて,先生はこのままの内容では卒業を許可できない旨をA君へ告げたというわけだ*1

彼の名誉のために述べておくと,よくよく聞けば研究の進捗自体は周囲のB4と比べて著しく悪いわけでないように感じた(そりゃあ多少は,悪いかもしれないが). ただ発表の仕方があまりに酷かったので僕たち聴衆はA君の研究内容をさっぱり把握することができず,それどころか全く進んでいないように思われたのである.

ゼミが終わった後,僕たちはA君を囲んでどのように発表がよい発表か色々議論していた.その時に話したことと,常日頃から思っていることを本稿にまとめておくことにする. ただしあまり体系立てて述べるつもりはなく,思いついた順に書き連ねる.またここでは上述のゼミや輪読のような,身内での発表機会を念頭に置く.

もちろんプレゼンテーション術に関する書籍は世に数多出回っているし,研究者向けの類書もたくさんあるが,なんとなく自然科学系の内容が多い気がする. ここでは特に数学・計算機科学分野を想定するので,参考になれば幸いである.

過大評価しない

まず認識すべきことは,あなたが二つのものを過大評価しているということである.一つは聴衆の理解力,もう一つはあなたの話術である.

聴衆は発表に興味がない

誰かが研究発表をしているとき,聴衆は半分以上は内容に興味がない.発表の目的の一つはそういう人たちに面白さを伝えることだが,残念ながら最後まで興味を持ってくれないこともある.それはそういうものなのでしょうがない.

ただしその中には Twitter を眺めるでもなく,興味のないなりに耳を傾けてくれる人もいる.彼らに発表内容を理解してもらうことは発表者の義務である.

聴衆は記憶力が悪い

記憶力に自信のある聡明な発表者にとっては残念なことだが,聴衆は3分前に説明されたことや1ページ前のスライドに書かれていたことは覚えていられない.

記号の定義や重要な概念は繰り返し提示すべきである.またはスライドの一角に添えておけば,ことさら言及しなくても聴衆が思い出してくれるかもしれない.

ただしもちろん,発表時間やスライドの余白は有界である.発表者の責任で取捨選択をしなければならないときもある.

先週のことなど尚更覚えていない

特にゼミや輪読では,同じメンバーに対して同じテーマで何回も続けて発表することがあるだろう.そういうときでも,過去の回で説明した事柄を既知として進めてはいけない.

発表の冒頭では,毎回少なからぬ時間とページを使って前回までの内容を説明しなおすべきだ.進捗報告なら全体の3割,輪読でも1割くらいはおさらいに割くのが理想だろう.

略語はなるべく使わない

いくら "Uniform Function Call Syntax" が長くてまどろっこしくとも,"UFCS" という略語の意味を発表中いつでも思い出せることは聴衆に期待すべきでない.

記号は慣例に従う

時刻を x,距離を y,重さを z で表すのはテロ行為である.いくら形式的には自由とはいえ慣例というものはあるのであって,大人しく t, d, w を使うべきだ.慣例とは認知負荷を下げるための共通認識である.

聴衆は視力が悪い

聴衆は小さな文字を読むことができない.できたとしても,読む気にはならない.

PowerPointLaTeX かは知らないが,ともかくあなたが発表資料を作っているときに「このくらいの大きさなら読めるだろう」と思ったならば,それは単にあなたがディスプレイの前に座っているからである.ちょっと大きいかも?と思うくらいが丁度よい.

もしそれがちょっとでも大事な発表ならば,是非とも実際にプロジェクタからスクリーンに投影して出来栄えを確認すべきである.

聴衆は色弱である

日本人のうち男性の5%,女性の0.2%は色弱者である. この分野にいる人間の多くは男性なのだから,20人の聴衆がいれば1人くらいは色弱でもおかしくない.5%に通じないプレゼン資料など論外だ.

色弱者のうち最も多いのがD型色覚者(緑錐体の変異),次に多いのがP型色覚者(赤錐体の変異)で,どちらの場合にも赤と緑などの区別がつきづらい.特に後者の場合には赤と黒さえほとんど変わらずに見える.そう考えると Beamer のよくあるテーマは最悪で,\alert が赤色だったり exampleblock が緑色だったりする.これらは確実に調整すべきで,例えば強調色はオレンジや水色にしておくとよい.

またブラウザの中には開発者ツールで色覚特性ごとの見え方をエミュレートできるものもある.例えば僕が普段使う Google Chrome でも可能なので,是非活用してほしい.

サリーの気持ちになる

Sally-Anne test は,他者の持ちうる知識や信念を正常に認識しているかをはかる検査である.

サリーはビー玉を取って自分のかごに隠しました。その後、彼女は部屋を「離れて」散歩に出かけました。彼女がいない間に、アンはサリーのかごからビー玉を取り出し、自分の箱に入れました。この後、サリーが再び登場し、子どもに重要な信念質問がされる。「サリーはどこでビー玉を探すでしょう?」

発表者は,自身の知識と聴衆が現時点で持っている知識を常に切り分けなければいけない.初歩的なことだが,(特に発表者が不慣れな場合)これを弁えないために意味不明な説明に終始する例がよくある.

また先述のように,たとえ既に説明したことであっても聴衆がそれを覚えているとは限らないから注意すべきである.

定義と証明はなるべく話さない

考えうる限り最悪の発表は,定義を述べて,定理の証明をつらつらと続ける類のものである*2

当然それが性質上避けられない部分もないではないが,発表時間はできるだけ『お気持ち』の説明に割くべきだ.もし相手がド専門ならそれだけで詳細まで察してもらえるし,そうでないなら仔細を話してもどうせ伝わらない.

それによって聴衆へいくらか不正確な理解を与えてしまうかもしれないし,それは避けられるに越したことはないが,しかしある程度は許容せざるを得ない.

ただし聴衆の中には細かい話が大好きな人もいる.そういう人のために,最後の方のスライドに定義をぎっちり詰め込んでおくとよい.

例を入れろ

『お気持ち』の説明のためには例を使うのが一番手っ取り早い.

例えば最適化手法の紹介であれば,まずその問題のインスタンスを一つ用意しよう. そしてどの要素を拾い上げてどういう計算をするのか,各変数がどう更新されていくのかをワンステップごとに説明しよう.これで聴衆はその手法のありがたみを身に染みて実感するはずである. また説明に都合のよいインスタンスを作るのも発表者にとってよい機会になる.

ただし抽象的な構造の説明には注意しなければならない.ラムダ計算を説明するのに具体例として適当な項のβ-リダクションを使うのは,その場にいるのが全員計算理論専門でない限りはやめた方がいいだろう. 適当なプログラミング言語の疑似コードを使って,型や項がどの概念と対応するのか,計算がどのように進んでいくかを見るのが伝わりやすい(もちろん厳密性は犠牲になる).

図を入れろ

スライド中の図は多ければ多いほどいい,というわけでは必ずしもないが,多すぎて作成がダルいと思うくらいには入れた方がいい.そのくらい,図による説明は言語的説明よりはるかに理解しやすいものである.

色はあまり使わない

図で何かを区別したいとき,あまり色に頼るべきではない.それは上述の通り色覚の問題によるところもあるし,単に色の多い図は各要素を区別しづらく目が疲れるということでもある.

例えばグラフ彩色であれば,各頂点にハートやスペードのような記号を振ることは悪くない方法だろう(ちなみにこれは僕の先輩の常套手段である).口頭で説明するときの指しやすさも保たれる.

一方で統計図表の方のグラフは色を使わずに表現するのが難しい.こういう場合は致し方ないので,色の選択に注意しよう.

「これ何の時間?」を作らない

なぜそれが必要なのか,今後どのように使われるのかを告げないまま説明を始めるのは,聴衆につまらない映画を無理やり観せるのと同義である.

それを避けるためには以下のことを心がけるとよい.

ストーリーを大事にする

どんな研究にもストーリーがあるはずである.

  • Aには現状Bという不満点がある.
  • Bを解決するには,Cを行う必要がある.
  • そこでCを可能にするような新たな手法Xを提案する.

これを説明することは,とりもなおさず研究の全体像を伝えることにもなるし,また聴衆の脳内に「知らない単語リスト」が先んじて出来上がるのでその後の説明がしやすくなる.

数学基礎論や計算理論だとAやBは抽象的な話になりがちだが,そこはやはり具体例を用いて重要性を聴衆に想像してもらう必要がある.

まず動機,次に説明

どんな概念も発表中で導入するからには何らかの動機があるはずだ(もしどこからも必要とされていないなら,その内容は省くべきである).それらは常に説明より先に出すべきだ.

最初にストーリーを提示すれば,何らかの目的のために○○を説明する概念/○○を実現する手法が欲しい!という状況を自然に作り出せるはずである.

準備には発表時間の10倍を費やす

発表の準備(特に資料の作成)には多大な時間と労力を費やさなければならない.それは慣れた場でも同じことだ.

先述の通り僕の研究室ゼミでは1人1時間の持ち時間があるが,半分くらいは質疑応答に消えるので,発表しているのは正味30分くらいである.そのために僕は5時間くらいかけてスライドを作成している. 図が多い時は10時間くらいかかることもある. もちろん今までに作成した資料の使いまわしが可能なら大幅に短縮できるが,それでも全体の整合性をよく確認して,細かい微調整をするべきだ.

妥協する

ここに書いた全てを現実的な時間で達成することは不可能である.実際に割ける労力と相談しながら,外せない要素と妥協すべき要素を取捨選択しなければらなない.

*1:一応述べておくと,先生は今後どうあがいても不可能であると言ったわけではない.

*2:これについては苦い思い出がある.僕はB4のときに最初のゼミでひたすら単純型付きラムダ計算の定義を喋りつづけ,1時間半くらい経ったところで先生に遮られて強制終了した.

Xで見かけたら避けるべき話題一覧

はじめに

読者がX (Twitter) であるポストを見かけて怒りが湧いてきたとき,次のことをやるとよい.

  1. 深呼吸する.
  2. ポストの話題が以下のリストに含まれるか確認する.
  3. 含まれるとき: 5へ進む.
  4. 含まれないとき: その話題について本記事にコメントするか,筆者へ直接送りつけて5へ進む.
  5. ポストを見なかったことにする.

あなたがその問題の当事者でないならば,わざわざ義憤に駆られる必要はない*1.あなたはXによって無駄に怒らされているだけなのだ.その問題は当事者によって解決されるほかなく,ひょっとしたら永遠に終わりの来ない賽の河原かもしれないが,ともかくあなたが感情に任せて何か言ったところで火に油を注ぐだけである.あなたはただ忘れて,またエッチな絵や小動物の動画を漁ればよい.

Xで見かけたら避けるべき話題一覧

未記載の「避けるべき話題」があったときは以下のリストに追記する.

  • 掛け算順序
  • 虚数は存在しない
  • 男女論
  • 生成AI
  • ルール違反
  • 無礼・不義理
  • 経済格差
  • 学歴
  • 政治
  • 愚行権の範疇で説明できること
  • 遠い異国のこと

*1:もちろんあなたがその問題に対して建設的な貢献をできるのであれば,議論の輪に加わってもよい.ただしそれは義務でないことを忘れてはならない.

夏はいつ洗濯物を干してもよい

これは何

雑記です。

夏はいつ洗濯物を干してもよい

研究室の同期は真夏の炎天下で運動をするのが好きだと言っていたが、活動的な彼とは違って僕は残念ながらそういった気になれない。そうでなくともこの殺人的な猛暑の中では、自宅から大学まで自転車を漕げばスポーツをしたのと変わらないくらい汗だくになるのだ。行くも憂鬱、帰るも憂鬱である。

おまけに研究室とて全く安泰の地ではない。だだっ広い居室のエアコンはボスの『お願い』によって28℃未満に設定しないことになっていて、そうすると実際の室温は29℃か30℃くらいにしかならない。もっとも先生の不在時にはいくらか冷房を強くすることが暗黙の了解になってはいるが。とにかく今般は夏というものと我らが愛すべき電気通信大学の財政事情を恨むばかりである。

以前まで、夏は早起きができるのでそれだけは助かっていた。というのも数年前までは布団に入るときエアコンを消すようにしていたから、7時くらいになると寝苦しさで自然と目が覚めていたのである。しかし最近の暑さではそれも危険であろうということで、寝ている間に冷房を入れっぱなしにしてもケチな母も何も言わなくなった。そういうわけでここしばらくは夏でも寝坊し放題になった。

閑話休題、他に夏のよいところがないだろうかと考えていたら一個だけ見つけたのだった。今日の18時くらいに家へ帰って、風呂へ入るついでにジーンズを洗濯機に放り込んだ。乾燥機能付きドラム式洗濯機が導入されたことは近年におけるわが家最大の産業革命*1ではあったが、シャツやズボンはシワが付くので結局別に乾かす必要がある。脱水まで終わって物干し竿へ掛けたのは19時くらいで、日はもう沈んでしまっていた。しかし今見に行ったら八割方乾いていたので、明日の朝にはまた履けるようになっているだろう。

これが冬ならば、たとえ朝の家を出る前に干していったとしても厚手のジーンズは日没までに乾ききらないかもしれない。つまりいつでも(たとえ夜であろうと)洗濯物を干してよいというのは真夏の特権なのであって、これは自然を克服しようとして全く失敗ばかりしている人類にとってのちょっとした吉報だと思う。まあそれだけの話で、それ以外に夏のよいところなど一つもない。

ブログには何を書いてもよい

思えばこのブログで、今回のような中身のない話を書くのは初めてだ。また気が向いたら虚無を生成することとする。

*1:僕はこの年になっても実家に住んでいる。

ITアルバイトを辞めた

これは何

バイトを辞めたよ〜の報告みたいなもの。

退職サイコー!

先日(といってももう4ヶ月も前なのか)、こういう記事を公開した。

jj1lis.hatenablog.com

このアルバイトを辞めました*1。一般に労働を辞めることは喜ばしいことなので、皆さん祝福をお願いします。

どういう会社だったか

上述の記事でも少し書いたことだが、某IT企業でアプリ開発の業務に従事していた。

もう少し詳しく書くと、僕が参加していたのはペイントアプリの開発だった。絵を描いた経験は中学校で受けた美術の授業くらいのもので、結構有名なアプリなのに使ったこともなかったのでやっていけるのか不安だったが、まあ何とかなった(ちなみに絵は描けるようにならなかった)。

あと「アルバイト」とは言っているものの元々は長期インターンという名目で雇われていて、多分僕が正社員にしてほしいと言えばしてくれただろう*2。待遇も流石に大手ほどではないが中々悪くはなかったし、一応上場企業だし、このまま勤め続けるというのもなくはない選択肢だったと思う。

なぜ辞めたか

正直に言って、今回の会社に不満点はほとんどなかった*3。今まで他に2つほどバイトをしてきたが、どちらもパワハラとか業務への不満とかで退職したので、こういう働き口を得られたのは幸運なことだった。

そんなバイトを辞めた理由は、結局のところ「研究」という一言に尽きる。

勤務時間

ネガティブな話題から書こう。学生のアルバイトと言えば時間にある程度自由が効いてほしいものであるが、今期の僕の勤務日程は最悪だった。週3出社だったのだが、月曜日の初っ端から8時出社、木曜日に至っては7時出社という有様で、これは僕の最寄り路線では始発を逃すと必ず遅刻する時間だ。

そのうえ退勤後はすぐに大学へ行って講義に出なければならなかった。したがって朝4時に起きて自転車で大学に向かい、自転車を置いて調布駅から都心へ向かい、仕事と講義が終わったら自転車で家へ帰るという生活を週に2回ほど行っていた。これは規則正しい生活が苦手な僕には大変苦痛なことである。

それほどの無理をしてなお、週の勤務時間は15時間しか確保できなかった。いくら個々のタスクは一人で進められるとはいえ、開発はチームで行うものだから*4あまりに遅くては全体の流れに置いていかれてしまう。採用時にも週20時間以上という条件が書いてあったが妥当なラインだと思う。それすら満たせない状況は芳しいものではなく、5月くらいには辞め時という文字が脳裏をちらついていた。

研究

一方で大学院生も研究者の内というのは指導教員の言であるが、当然僕も研究をしなければならない。

今の生活では研究活動にまとまった時間を割くことができず、進捗が生まれないのでかなり辛い。毎日チマチマと少しずつ進められるタイプの人もいるのだろうが、残念ながら僕はそういう人間ではなさそうである。

また親しい知人には話していることだが、実はここのところ博士後期課程への進学をかなり真面目に検討している。今の指導教員とは専門がズレるので外部に行く必要があるうえ、特に実家が太いわけではないので学資は悩みの種であり、学振DCやJST SPRINGなどの支援に与ることはかなり切実な希望である。正直DCは無理だろうが、SPRINGも見込みがなければ通してくれないだろう。それに院試だってあるのだから、何かしらの研究成果を手土産にしたいところである。

そしてその時間をどこから捻出するのかと言えば、アルバイト以外に選択肢はない。

次の職

そういうことを考えていた時期に、ありがたいことに別の仕事のお話を貰った。上の話に早速矛盾するようではあるが、通勤の必要がなく、時間にかなり融通が効き、しかも今後の研究者としてのキャリアを考えると悪くない提案だったので引き受けることにした。

今後の予定

もう少し無職の自由を噛み締めたいところではあるが、先述の新しい仕事は8月から始まる。

僕と同年代で僕より優秀な学生はたくさんいるから、こういう職を得られたことは幸運だったという他にない。かなり勉強が必要になりそうなので頑張って追いつきたいところだ。

余談

この春、アルバイト先に親しい(?)友人が新卒で入社してきたのだが、僕は他人の空似だろうと思ってまさか本人だろうとは予想だにしていなかった。気付いたときは驚きでしばらく仕事にならなかったくらいである。

また退職前最後の最後に社内チャットで新入社員の一人から連絡があり、何事かと思えばどうも電通大出身かつ僕と同じ入学年次、僕と同じ専攻ということだった。その人とは特に面識もなく、社内でも全く話したことはなかったのだが、ひょっとしたらSNSでは既に知り合いかもしれない*5

ともかく、世間というのは意外にも狭いものだ。

*1:細かいことを言うと有休消化に入っただけで退職は月末。

*2:会社としてもインターン採用は人材確保の算段が大きかったはずである。

*3:強いて言うなら遠くて通勤が大変だったことくらい。

*4:60人近い大規模チームだった

*5:電通大なので......