ミシシッピ川以東のルイジアナ

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バイクの免許を取ったよの巻

このたび普通二輪自動車運転免許を取得したんですが、周りにバイクの免許持ってる人あんまりいないので布教を兼ねて記録しておきます。

なお、僕はチー牛証明書こと普通自動車運転免許(眼鏡等・普通車はAT車に限る)を元から持っているため教習所の学科教習(セット学科除く)と免許試験場での学科試験は免除でした。したがって本稿では学科関連の内容については言及しないので、原付や普通車、中型など他車種の免許を持っていない人は注意してください。

はじめに

免許制度と排気量による違いについて一通り説明しています。基本的なことなので読み飛ばしても大丈夫です。

運転免許

運転免許は各都道府県の公安委員会が管理し、免許を持つ者に運転免許証を交付します。

免許を受けるためには公安委員会(が委任する都道府県警察)の実施する試験を受ける必要がありますが、うち技能試験については指定自動車教習所卒業検定に合格することで免除されます。また、ある車種の運転免許を有する者が他車種の免許を受ける場合は学科試験も免除されます。

運転免許は車種ごとに区分されています。普通車の免許を持っていれば普通車(とオマケで原付と小特)は運転できますが準中型以上には乗れませんし、当然原付より大きな二輪を運転することはできません。 排気量が50ccを超え400cc以下の原動機を持つ二輪車には普通自動二輪車運転免許が、400ccを超える二輪車には大型自動二輪車運転免許*1がそれぞれ必要になります。

道路法規による排気量ごとの違い

日常で車両を所有し、また公道を通行する上で関連する主な法律は道路交通法(道交法)と道路運送車両法(車両法)です。道交法は免許制度や交通の規則などソフト面のルールを規定しています。一方で車両法は車両の所有や保安基準などハード面でのルールを定めています。

道路交通法

道交法では二輪車は以下のように分類され、それぞれ運転には対応する免許が必要です。

なお普通自動二輪車免許には小型限定という限定条件があり、この場合排気量が50ccを超え125cc以下の二輪車(後述の原付二種)に限り運転することができます。また、AT限定の場合はオートマチック車のみ運転できます。

原付は法定速度が30km/hである、二人乗りができない、二段階右折が必要*2などの制約があります。

道路運送車両法

車両法では二輪車は以下のように分類されます。

高速道路(高速自動車道路及び自動車専用道路)は自動車しか通行できません。車両法で自動車として認められるのは軽自動車以上の車両です。よって、原付一種と原付二種は高速道路を走ることができません。

また小型二輪は運輸局に登録し、2年おき(新車時のみ3年後)に検査を実施して自動車検査証(車検証)を受けなければなりません。軽二輪は運輸局への届出のみで済み、原付はそのどちらも必要ありません。

結局どの免許を取ればよいか

第一に、原付免許を取る価値はあまりないと思います。維持費は安いですが、30km/hまでしか出せないので大きな道路だと周りが速くて逆に危ないし、他にも色々と面倒です。

第二に、いきなり大型二輪免許を取るのはあまり良くない(らしい)です。自転車と違ってバイクは150kg〜200kgくらいある、一人の人間が取り回すには重い乗り物です。大型となれば更に巨大化する上に排気量が大きくなることで出力も上がります。まずは普通二輪を取って段階的に慣れていきましょう。

つまり最初は普通二輪免許を取得するのが一番丸いわけですが、その中にも小型とATという2つの限定条件があります。これらは想定する用途により判断すればよいでしょう。

日常の足に使いたい人

いわゆるスクーターは大体125ccのオートマです。普通車の免許を持っていれば小型AT限定は教習所に2,3日通うだけで取れます。スーパーカブマニュアルトランスミッションですが、クラッチ操作がないためAT限定で運転可能です。

趣味で乗りたい人

僕もツーリングやキャンプに行きたくてバイクの免許を取りました。 現在流通している趣味性の高いオートバイはほぼ全てクラッチ操作を要するMT車です。原付二種だと高速を走れない上に、そもそも排気量が小さいと長距離の運転は辛くなります。大人しく限定条件のない免許を取りましょう。

教習所に行く

電通大生は調布自動車学校に行くパターンが多いらしいですが、僕は馴染みの武蔵境自動車教習所に通いました。

費用

他車種の免許を持っていると学科教習を受けなくていいので、教習費用はかなり安くなります。

教習には標準時限がありますが、教官が不十分だと判断すればハンコはもらえないし検定に落ちれば再教習+再検定が必要になります。これが入ると追加費用が相当嵩みますが、今回は運良くストレートに卒業できました。

料金プランにも再検定費タダとかVIPプランとか色々あったんですが、まあいけるやろの精神で無視して最安プランにしました。普通車の免許も過去に武蔵境で取得したため、割引が効いて教習費用は総額95800円です。

装備

教習時には以下の装備は必須です。

  • ヘルメット
  • グローブ
  • プロテクタ(胸部、膝、肘)
  • かかとプロテクタ(AT教習時のみ)

うちヘルメットとプロテクタは所内の無料貸出があり、グローブも入校時特典だかなんだかで貰えたので新たに買い揃えたものはありませんでした。ない場合は買う必要があります。

通所

自宅の近くから武蔵境まではちょうど私鉄が走っているんですが、まあまあ高額鉄道のため特に事情のないときは家の車で通いました。ただ駐車場のキャパが10台弱しかないため、一度コインパーキングに駐車する羽目になってアホみたいな料金を取られ、それから毎回満車じゃないかと戦々恐々したり混みそうな日には電車で行ったりしました*3。マジでアホ臭い。

教習内容の概要

普通二輪(普通車免許あり)の技能教習は1段階9時限、2段階8時限+セット学科1時限が最短時限です。1日に1段階は2時限、2段階は3時限まで受けることができるので、最短で8日あれば全部こなすことができる計算になります。絶対ムリだけど。

普通車や中型車、大型車は仮免許制度があるので1段階終了後に仮免検定や学科試験が入り2段階は路上教習メインになります。一方二輪車は仮免許が設定されていないので路上教習がありません(公道は免許を取ってからぶっつけ本番)。その代わり1段階の最後に見きわめを通過するだけで済み、教習を通して学科試験は一度もありません。

期間

教習期限9ヶ月の間に全ての教習を終了させないと、今までの金と労力が全部水の泡になります。普通車のときは8ヶ月半くらいかかってギリギリで卒業したので今度は余裕を持って受けようと心がけていました。

入校が5月中旬、卒検合格が6月中旬だったので1ヶ月くらいで免許取得まで行った計算になります。武蔵境は結構人が多くて教習が混みがちなんですが、後半は梅雨にかかっていたこともありすんなり予約が取れました。とはいえ、希望時間が全部通るというほどでもなかったです。

1段階

最初の教習はスタンドの立て方、倒れたときの起こし方、基本的な操作といった取り回しくらいしかやらなかったんですが、これが一番つらい。 教習が始まるまで「バイクって自転車の延長線みたいなもんでしょ」くらいに思ってたんですが、教習車のCB400 SFはカタログ値201kg+教習装備もあってクソ重いので倒れると持ち上がらんのです。バイクが自転車より自動車側の乗り物であることを身に沁みて実感しました。ちなみに400ccまでのバイクでこれより重いものは殆どないので、教習車が何とかなれば大体何とかなります。結局バイク買ったんだけど、189kgとかでした。

後の8時限はひたすら運転練習です。加減速、カーブ、ギアチェンジ、あとは課題の一本橋とかクランクとか坂道発進とか。

AT車しか乗ったことがなかったので半クラだの何だのとMTの操作ができるか不安で、「発進時の回転数は耳で覚えろ」とか言われてうるせえメータ見せろとか愚痴ってましたが案外何とかなりました。バイクの操作については、よほど要領の悪くない限りは扱えないようなことはないと思います。

バイクは股の間にある燃料タンクを膝や内ももで押さえつけてバランスを取ります(ニーグリップ)。最初の方は腕で身体を支えていたので毎回教習後には両腕が筋肉痛になってたんですが、1段階の終わりくらいに教官にそれを指摘され、意識してニーグリップをするようになったら驚くほど改善しました。大事です、げちで。

最後に見きわめの教官からハンコをもらって終わりです。easy.

2段階

2段階は法規走行の練習と卒業検定の練習がメイン、あとはシミュレータとかAT車体験とか危険予測とか細々とした事項を扱います。法規走行は普段の運転通りやれば問題ありません。え、普段から法規走行してない?そっか......

卒業検定はS字クランク、坂道発進一本橋スラロームなどの課題を含むコースを法規に従って走行するんですが、ガイジすぎてこのコースを覚えるのにマジで苦労しました。2段階初回からコース通りに走らされると聞いて覚えていったのに土壇場で飛んで道間違えるし、結局直前までコース覚えられないしで鬱。ただ本番でコースを間違えても検定員の指示通り復帰できれば減点されません。

また卒業検定には急制動という項目があります。40km/hまで加速し、指定地点から先10mちょっと以内に停止するというものです。自分でやると結構怖いんですが、傍から見ると大したことないんですよね。そもそも40km/hなんて普段公道でいくらでも出してるはずなので、バイクになるとクソ速く感じるけど過剰に怖気づかない方がいいです。

あと関係ないけど、シミュレータの操作感が余りにも現実離れしすぎていてシミュレータ教習のたびに事故を起こしてました。別に怒られたりしないから気にしなくてよい。

卒業検定

6月2週目の土曜に2段階までの教習が全て終わり、直近で予約できる日程の3週目火曜日に卒業検定を入れました。大学の2限に出られないのはまあいいんだけど、朝8時半集合とか言われて絶望。情報処理技術者試験か?

当日朝7くらいに布団退団して無事第0次試験合格、準備して教習所に向かいます。当日の二輪受検者は10人いないくらいで、実際の検定は9時過ぎくらいに始まって10時半には結果発表。自分の検定はそのうち10分未満です。 ガバ検定かといえばそんなことはなくて普通に隣の人も落ちてたんだけど、僕は運よく一発合格できました。あとは書類受け取ったり説明聞いたりして11時くらいには解放されました。

受け取った書類は卒業証明書と入校時に提出した住民票の写し、それから諸々です。これをそのままおまわりさんに渡せば免許証に化けます。

免許を取る

都道府県警察の免許関連施設には運転免許試験場と運転免許センターがありますが、新たに免許を取得する際は運転免許試験場で手続をしなければなりません。我が府中市には万物があるため当然警視庁府中運転免許試験場もあります。学科試験は受付時間があるんですが、免除なので8時半〜16時の間に行けばよい。よって3,4限切断も決意して教習所から直行します。

12時ごろに着いたら申請書類に記入して、適性試験(視力検査)を受けて、教習所で貰った書類に古い運転免許証と受験料&免許証交付料3800円を添えて提出。こういうのって収入印紙な気がするんですけど、現金どころかVisaタッチが使えて笑っちゃいました。警視庁ラブち。

最後に例の部屋で悪人顔の写真を撮られたら1時間も待たないうちに免許証完成です。グリーン免許、結構かわいかったんだけど没個性ブルーにされてしまった。

ここで時計を見るとまだ13時40分、大学の3限が終わるのは14時30分なのでまだあと50分も余裕があります。しかも試験場から調布へは直行のバスがあり、余裕で3限の出席を取ることができました。

まとめ

バイクの免許は意外と簡単に取れるので、軽率に取得するとよい。

*1:大型二輪免許には普通二輪免許の運転範囲が含まれる。

*2:原動機付自転車は、第二項及び前項の規定にかかわらず、道路標識等により交通整理の行われている交差点における原動機付自転車の右折につき交差点の側端に沿つて通行すべきことが指定されている道路及び道路の左側部分(一方通行となつている道路にあつては、道路)に車両通行帯が三以上設けられているその他の道路(以下この項において「多通行帯道路」という。)において右折するとき(交通整理の行われている交差点において右折する場合に限る。)は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。ただし、多通行帯道路において、交通整理の行われている交差点における原動機付自転車の右折につきあらかじめ道路の中央又は右側端に寄るべきことが道路標識等により指定されているときは、この限りでない。(道交法第34条第5項)

*3:そういう日に限ってガラガラ。